無理をしないことも勇気
頑張ることは大事ですが、無理をすることがえらいわけではありません。体が痛いのに言わない、こわいのに無理してやる、苦しいのに我慢しすぎる。こういうことは、よい練習にはつながりません。合気道では、自分の今の力を知って、少しずつ前に進むことが大切です。困ったときに「少しむずかしいです」と言えるのも勇気です。長く続けるためには、体も心も大切にすることが必要です。
稽古のはじめに伝えている、心と体を育てる小話を紹介します。短いお話を通して、礼儀・姿勢・落ち着き・体の使い方など、合気道で大切にしたいことを少しずつ積み重ねていきます。
頑張ることは大事ですが、無理をすることがえらいわけではありません。体が痛いのに言わない、こわいのに無理してやる、苦しいのに我慢しすぎる。こういうことは、よい練習にはつながりません。合気道では、自分の今の力を知って、少しずつ前に進むことが大切です。困ったときに「少しむずかしいです」と言えるのも勇気です。長く続けるためには、体も心も大切にすることが必要です。
受け身というのはただ転ぶ練習ではありません。もしバランスをくずしたときに、自分の体を守るための大切な練習です。転ばないことも大事ですが、もし転んでも大きなけがをしにくくすることもとても大切です。合気道では「倒れない」だけでなく、「倒れたときに体を守れる」ことも学びます。自分の体を守れる人は安心して学び続けられます。
うまくできないときや、相手と合わせるのがむずかしいとき、つい気持ちが急いでしまうことがあります。でも、あわてるとますますうまくいきません。合気道では、そんなときこそ深く息をして一つずつやることが大切です。あわてない人は失敗しても立て直すことができます。あわてないことは心の強さです。
早く動けばすごいように見えることがありますが、合気道では、ただ速いだけでは足りません。あわてて動くと、足元が乱れたり、相手にぶつかったりします。落ち着いて動ける人は、自分の体をしっかり使えて、相手のことも見られます。ゆっくりでも、丁寧な動きには力があります。落ち着いて動くことを大切にして、きれいな動きを目指しましょう。
合気道では、立っているだけでも練習になります。だらっと立つと、気持ちもだらっとしやすくなります。きょろきょろしたり、もたれたりすると、心も落ち着きません。反対に、足の裏でしっかり立ち、前を見ていると、心も落ち着いてきます。立ち方には、「今からしっかりやろう」という気持ちが出ます。だから、始める前の立ち方も大切です。立ち方から、よい稽古を始めましょう。
姿勢というのは、ただ背中をまっすぐにすることだけではありません。立ち方や座り方には、その人の気持ちがあらわれます。ふにゃっと立っていると、心もぼんやりしやすくなります。反対に、すっと立つと、気持ちもしゃんとしてきます。合気道では、姿勢が整うと、動きやすくなり、相手のことも見やすくなります。姿勢を整えることは、自分を整えることにつながります。
新しいことをするとき、うまくできるか心配になることがあります。でも、合気道では、最初から完璧にできる人はいません。大切なのは、「できないからやらない」ではなく、「できないけれど、まずやってみる」という気持ちです。やってみる人は、少しずつ体が覚えます。失敗しても大丈夫です。失敗は、上手くなるための途中です。勇気を出して動くことが、成長の第一歩です。
合気道では、先生の説明や相手の動きをよく見ることがとても大切です。話を聞かずに自分だけで動くと、間違った動きが身についたり、相手に迷惑をかけたりします。逆に、よく見て、よく聞いてから動ける人は、少しずつ確実に上達します。話を聞くことは、待っているだけではありません。頭と心を使って準備している時間です。静かに聞ける人は、強くなれる人です。
合気道では、相手がいるからこそ練習ができます。だから、自分だけが楽しいのではなく、相手も安心して動けることがとても大切です。ふざけて走る、急に引っ張る、話を聞かずに動く。こういうことがあると、けがにつながります。反対に、周りを見て、話を聞いて、ていねいに動ける人は、安心して強くなっていけます。安全を守ることも、立派な実力です。
合気道では、最初に礼をします。礼は、ただ頭を下げるだけではありません。「よろしくお願いします」「一緒に学びましょう」という気持ちを表すものです。合気道は、相手をやっつけるためだけのものではありません。自分の心や体を整えて、相手を大切にしながら学んでいく武道です。だから今日大切なのは、上手にできることよりも、あいさつ、返事、話を聞くことです。みんなでよい時間にしましょう。